今回の記事はNHKの「らんまん」の主人公のモデルになった高知県出身の植物分類学者、牧野富太郎博士のゆかりの地巡礼の記事になります。
牧野博士の生まれた町、佐川町をはじめ牧野博士が植物採集に行った場所など、ゆかりのあるスポットを見どころとともにご紹介します。
本記事は高知県とのコラボです。

らんまんって?
「らんまん」は2023年4月より放送のNHKの連続テレビ小説。
高知県出身の植物分類学者の牧野富太郎が主人公のモデルとなったドラマオリジナル作品。
「らんまん」の詳細はこちら!
牧野富太郎とは?
高知県高岡郡佐川町出身の植物分類学者。
生涯で1500種類以上もの植物を発表し、収集した標本は40万枚以上。
また、植物知識の普及活動にも尽力したことなどから、「日本の植物分類学の父」と言われている。
日本で初めて、日本人が新種の植物に名前を付け発表したという大きな功績を残し、1957年に94歳で亡くなる直前まで、全国をまわり膨大な数の植物標本を制作し続けた。
2023年4月より放送のNHKの連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとして起用された。
牧野博士のふるさと ―佐川町―
牧野富太郎博士の生まれ故郷である佐川町。牧野博士は幼少期を佐川町で過ごし、1893年(明治26年)に帝国大学理科大学の助手になるまで東京と郷里を往復しました。
その佐川町は高知駅から列車一本で行けるアクセスの良さもポイントです。

佐川町は酒蔵の町としても知られていて、藩政時代(明治時代)の風情が感じられる昔ながらの白壁の建物が多く残っています。
牧野富太郎ふるさと館

「牧野富太郎ふるさと館」は牧野博士の生家跡に建つ資料館です。
牧野富太郎ふるさと館の外観は写真や残っている資料から大正時代の生家の姿に近づけて再建されているそうで、入口にかけられている「岸屋」という看板は、牧野博士の生家が営んでいた造り酒屋の名前です。
展示室では牧野博士の遺品や直筆の手紙や原稿が展示されています。
観光スポット名 | 牧野富太郎ふるさと館 |
住所 | 高知県高岡郡佐川町甲1485 (Google map) |
アクセス | 車の場合→高知駅から約50分 公共交通機関利用の場合→JR佐川駅より徒歩10分弱 |
入館料 | 無料 |
休館日 | 月曜日 (祝日の場合翌日) |
備考欄 | 駐車場は佐川地場産センター横の観光専用駐車場をご利用ください。 |
金峰神社

金峰神社(きんぷじんじゃ)は、牧野博士の生家の裏山にある神社で、幼少の頃からよく植物採集をしに行った場所として知られています。
牧野博士が晩年まで愛した「バイカオウレン」をはじめ、さまざまな植物と出合い、植物の世界へ興味が引かれていったそうです。
そういったことから金峰神社は牧野博士の植物の道へ進むきっかけとなった原点と言える場所になります。
名教館

名教館(めいこうかん)は明治維新で活躍した偉人を多数輩出した名門の学問所で、牧野博士も幼少期に通っていました。
玄関部分は当時のまま上町に移設され現存しており、現在は館全体も復元されているため、当時の雰囲気は十分に感じられると思います。

名教館の内部には名教館で学んだとされる偉人たちのパネルが展示されていて、もちろん牧野博士のパネルも展示されています。
牧野公園

1902年に牧野博士が東京から送ってきた桜(サクラ属の園芸品種‘染井吉野’)の苗を植えたことから始まり、1958年に公園の整備がされた際に「牧野公園」と名付けられました。
牧野博士にゆかりのある植物を中心に、様々な植物が見られますが、現在は桜の名所として知られ、高知を代表する花見どころの1つになっています。

公園の中腹には牧野博士のお墓があり、毎年冬にはお墓の裏に牧野博士が大好きだったという「バイカオウレン」の花が咲きます。
伊尾木洞

伊尾木洞は自然が造り出した洞窟で、洞窟の先には40種類以上のシダ植物の群生地が広がっています。
1ヵ所にここまで多くのシダが共生しているのは全国的にも珍しく、国の天然記念物にも指定されています。

牧野博士もこの豊かなシダ植物に魅了され、植物採集に訪れたという場所です。
伊尾木洞の詳細はこちら!
観光スポット名 | 伊尾木洞 |
住所 | 高知県安芸市伊尾木117 (Google map) |
アクセス | 車の場合→高知駅から約70分 公共交通機関利用の場合→ごめん・なはり線、伊尾木駅から徒歩7分 |
所要時間 | 25分程度(最深部到達まで) |
備考欄 | 駐車場内にある観光案内所で長靴のレンタルがあります。 雨の後など増水している時は危険なので入らないでください。 |
越知町 ー横倉山-

越知町は牧野博士の出身、佐川町の隣町です。牧野博士は越知町の中でも特に横倉山(よこぐらやま)に何度も植物採集に訪れたそうです。
横倉山は樹齢数百年のアカガシの原生林や多くの希少植物があることから「植物の宝庫」と言われ、牧野博士によって発見、命名された植物が多数ある場所です。
観光スポット名 | 横倉山(杉原神社) |
住所 | 高知県高岡郡越知町越知丁(Google map) |
アクセス | 車の場合→高知駅から車で約80分 |
所要時間 | 第3駐車場から杉原神社まで徒歩15分程度 |
備考欄 | 全てのポイントを周る場合、4~5時間かかります。 |
横倉山自然の森博物館

横倉山のふもとには、世界的にも有名な建築家・安藤忠雄氏による設計の横倉山自然の森博物館があります。
博物館では、牧野博士が愛した珍しい植物の展示のほか、横倉山を通じて地球のおいたちや越知の歴史を学ぶことができます。
そのうちの展示コーナー「牧野富太郎博士と横倉山」では、牧野博士が横倉山で発見した植物の模型の展示がされています。
また、牧野博士の企画展も期間限定(2024年3月3日まで)で行われているので横倉山へ行った際には横倉山自然の森博物館へも立ち寄ってみてください。

観光スポット名 | 横倉山自然の森博物館 |
住所 | 高知県高岡郡越知町越知丙737−12 (Google map) |
アクセス | 車の場合→高知駅から車で約70分 |
入館料 | 大人 : 500円 高校・大学生: 400円 小学・中学生 : 200円 |
所要時間 | 30分程度 |
休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌日が休み) |
備考欄 | 入館料は現金のみの取り扱いなので注意。 |
馬路村 ―魚梁瀬地区―

馬路村の魚梁瀬(やなせ)地区「千本山」に林立している「魚梁瀬杉」は日本三大杉美林の1つとされています。
樹齢200~300年、高さ50mにもなる杉林は日本の秘境100選に選ばれたこともあるそうで、圧巻です。
牧野博士も魚梁瀬に植物採集に訪れていて、現在も保存されている森林鉄道に牧野博士も乗車したといわれています。
仁淀川町 -中津渓谷-

仁淀川町は牧野博士が日本人が日本で初めて新種の学名を発表した「ヤマトグサ」を発見した場所です。牧野博士にとって初めて命名した植物で、植物分類学者としての出発点となった重要な場所になります。
「らんまん」のドラマ上では伊尾木洞で撮影されたシーンですが、実際は仁淀川町の上流部の中津渓谷あたりで発見されました。牧野博士はその後も仁淀川町にたびたび通い、多くの植物を採集しています。
中津渓谷の詳細はこちら!

観光スポット名 | 中津渓谷 |
住所 | 中津渓谷(Google map) |
アクセス | 車の場合→高知駅から車で約90分 |
所要時間 | 往復40分程度 |
備考欄 | 遊歩道があるので歩きやすいです。 |
土佐清水市

牧野博士は19歳の頃に足摺岬をはじめとした高知県の西部一帯の植物を約1か月かけて調査してまわり、多くの植物の知識を得たそうです。
その後、東京へと上京した牧野博士のもとに足摺岬周辺で採集された植物の標本が届けられ、研究の結果、新種の寄生植物ヤッコソウの発表に至りました。
牧野博士が晩年に書いた随筆でも土佐清水を訪れた思い出を語っているほど思い入れのある地です。
室戸岬

室戸岬周辺には牧野博士が学名を命名したハマアザミをはじめ、国の天然記念物に指定されている亜熱帯性樹林や海岸植物群落があります。
牧野博士は室戸岬周辺でも植物採集や観察会を行ったそうです。
北川村「モネの庭」マルモッタン

モネの庭は直接、牧野博士に関わりのある聖地ではないですが、園内で牧野博士が命名した植物やゆかりのある草花を見ることができる場所です。
モネが「睡蓮」を描いたフランスのジヴェルニーの庭園以外で世界で唯一、モネの庭と名乗ることを許された場所で、高知に来たら是非行ってほしいイチオシのスポットです。
モネの庭の詳細はこちら!
観光スポット名 | 北川村「モネの庭」マルモッタン |
住所 | 高知県安芸郡北川村野友甲1100番地 (Google map) |
アクセス | 車の場合→高知駅から車で約90分 公共交通機関利用の場合→ごめん・なはり線、奈半利駅から「北川村行き」バスで「モネの庭」停留所で下車 |
入園料 | 一般 : 1000円 小中学生 : 500円 小学生未満 : 無料 |
所要時間 | 1時間程度 |
備考欄 | 飲み物とタオルを持参して行くのがオススメです。 休園日:6月~10月の第1水曜日、12月~2月 |
高知県立牧野植物園

牧野植物園は牧野博士の業績を記念して、1958年に開園した植物園です。広さ約8haもある園内では牧野博士にゆかりのある植物をはじめ、約3000種類の植物を見ることができます。
園内には「牧野富太郎記念館」もあり、牧野博士に関する展示品や歴史を学べる場所になっているのでそちらも是非行ってみてください。
牧野植物園の詳細はこちら!

観光スポット名 | 高知県立牧野植物園 |
住所 | 高知県高知市五台山4200−6 (Google map) |
アクセス | 車の場合→高知駅から約15分 公共交通機関利用の場合→高知駅南口発「MY遊バス」で約30分 |
入園料 | 一般 : 730円 高校生以下 : 無料 |
所要時間 | 1時間程度 |
備考欄 | 特に多くの花が見頃をむかえる春・夏に行くのがオススメです。 休園日:年末年始、その他メンテナンス休園あり |
いかがだったでしょうか
牧野博士が植物を採集・調査した場所は高知県全域にとどまらず、全国各地・海外に及びます。
今回は中でも関わりの深い場所や訪れた際のエピソードが残っている場所をご紹介しました。
「らんまん」をきっかけに興味を持った方もこれを機に牧野富太郎博士のゆかりの地を訪れてみてはいかがでしょうか?